「宇宙の年齢は138億年」とよく聞きます。
しかし、地球が誕生したのは46億年前。
宇宙誕生それよりも遥かに前のことなのに、一体なぜ分かったのでしょうか?
本記事では、宇宙の誕生時期が分かった理由や宇宙の年齢、広がりについてなど、わかりやすく整理して解説していきます。

宇宙がいつできたかなんて、どうして分かるんだろう…

実は意外と簡単に分かるんだよ!
また、「宇宙の果ては464億光年先にある」「実は宇宙は1兆年、いや5京年の歴史があるかもしれない」——そんな話を耳にしたことがある人もいるかもしれません。
そのような疑問を持つ方に向けても宇宙が138億年前に誕生した根拠を分かりやすく解説していきます!
宇宙の年齢「138億年」の根拠は?なぜ分かるのか分かりやすく解説

そもそも宇宙の起源について考えられるようになったのはつい最近のことで、20世紀ごろだと言われているよ。
現在、科学的にもっとも信頼されている宇宙の年齢は「約138億年」とされています。
これは、宇宙が誕生したビッグバンの時点から今日までの時間を指します。
しかし、20世紀になる前までは、この宇宙は永遠のものだと考えられていました。
1916年にアインシュタインが一般相対性理論を発表し、自分が作った方程式を宇宙全体に当てはめてみたところ、この宇宙が膨張しているか収縮しているということが分かりました。
しかし、アインシュタインはこの結果を受け入れられず、宇宙項を方程式に付け加え、宇宙は不変であるということにしていまいました。
1914年に天文学者のスライファ―が星たちがどんどん遠ざかっていることを発見し、さらに1920年にはハッブルが遠い銀河ほど遠ざかる速度が速くなっていることも見つけました。
このことから、宇宙は膨張しているということが分かったのです。

例えば、風船の上にマジックでいくつか点をつけて、膨らませると遠い点ほど速く遠ざかりますよね。
そして、膨張しているということは、始まりがあるということも分かったのです。
宇宙の年齢が138億年と、どのようにして分かったか
「宇宙年齢(宇宙の年齢)」とは、ビッグバンから現在までの宇宙の経過時間を指す言葉です。
現在もっとも広く認められている値は、約138億年(正確には137.99±0.21億年)で、これは人工衛星プランクによる2013年の観測から求められました。
この値は、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)や宇宙の膨張速度(ハッブル定数)などを解析して算出されたものです。
宇宙の進化は「Λ-CDM(ラムダ・コールドダークマター)モデル」と呼ばれる理論で説明され、初期の高温高密度状態から現在まで138億年かけて膨張してきたと考えられています。
また、観測可能な中で最も古い星は約144億年と推定されており、これは宇宙年齢とほぼ一致します。
ハッブル定数の値や宇宙の膨張速度、ダークエネルギーの影響などから、理論上の宇宙年齢はハッブル時間(約138.7億年)とほぼ同じになります。
つまり、最新の観測と理論の両面から見ても、宇宙はおよそ138億年の歴史を持つと考えられています。
この数字は、NASAの宇宙望遠鏡「プランク衛星」が観測した宇宙マイクロ波背景放射(CMB)と呼ばれる“宇宙の残光”から導かれました。
CMBは、宇宙がまだ約38万歳だったころに放たれた光で、そこに刻まれた温度のムラを解析することで、宇宙の膨張の歴史が正確にわかるのです。
その結果、現在の宇宙の年齢は138億年(正確には約138.2億年)と算出されています。
宇宙の「果て」は464億光年?

ここで混乱が生まれやすいのが、「宇宙の果ては138億光年ではなく464億光年もある」という話です。
「138億年」しか経っていないのに「464億光年先」とはどういうことでしょうか?
これは、宇宙の膨張が関係しています。
光は1年間に1光年しか進めませんが、宇宙そのものが時間とともにどんどん広がっているため、光が届いた“当時の距離”と“今の距離”は全く違います。
たとえば、私たちに届いた138億年前の光が発せられた銀河は、現在では宇宙の膨張によって464億光年先に存在しているのです。
つまり、「光の年齢」と「空間の広がり」は別の話というわけです。
なぜ「137億年」「138億年」と表現が違うの?
実は、以前は「宇宙の年齢は137億年」と言われていました。
これは、2003年にNASAの「WMAP衛星」が発表した観測結果によるものです。
しかしその後、より高精度な観測を行った「プランク衛星」(2013年)が、宇宙の年齢を138億年と更新しました。
つまり、どちらも正確ではありますが、観測技術の進歩による精度の違いというわけです。
「実は宇宙は1兆年」「5京年ある」という説も?
一部のサイトや動画では、「宇宙の年齢は138億年どころではない」「実は1兆年、いや5京年の可能性もある」といった話が出てきます。
しかし、これは科学的な根拠がない仮説や誤解に基づくものです。
確かに、量子重力理論や多元宇宙論(マルチバース理論)などでは、「私たちの宇宙がビッグバン以前にも何らかの状態で存在していた可能性」が議論されています。
ですが、観測可能な範囲での宇宙(観測可能宇宙)はあくまで138億年の歴史です。
それより前の「ビッグバン以前」は、まだ理論の段階であり、確定した証拠はありません。
宇宙の年齢は138億年ではなく267億年!? ダークマターも存在しない可能性
実は、オタワ大学の研究チームが2023年に発表した新理論「CCC+TLモデル」によると、宇宙の誕生は138億年前ではなく約267億年前である可能性があるといいます。
この理論は、定説であるビッグバン宇宙論に「疲れた光仮説」と「時間とともに変化する物理定数」という概念を組み合わせたものです。
もしこのモデルが正しければ、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が観測した“初期宇宙にしては成熟しすぎた銀河”の存在をうまく説明できます。
さらに2024年の続報では、この理論ではダークマターが存在しない場合に観測結果と矛盾しないことが示されました。
また、宇宙の加速膨張の原因は「ダークエネルギー」ではなく、重力が膨張とともに弱まるためだと説明できるといいます。
つまりこの新理論が正しければ、宇宙の年齢・ダークマター・ダークエネルギーという宇宙論の三大謎を同時に解決できる可能性があるのです。
ただし、これらはまだ仮説段階であり、今後の検証と観測によってその真偽が確かめられていくことになります。
宇宙の果ては464億光年先なのになぜ宇宙誕生は138億年前?
「光が1年間に進む距離」を“1光年”といいます。
光は1秒間に約30万km進むので、1光年は約9兆4600億km。
つまり、138億光年とは――
9兆4600億 × 138億 ≒ 1京3000兆km!
想像もできないほどのスケールです。
この広大な空間の中に、私たちの太陽系や銀河がぽつりと存在しているのです。
宇宙の年齢は約138億年ですが、観測可能な宇宙の果ては約464億光年先にあるとされています。
この違いは、宇宙が誕生以来「膨張し続けている」ことによって生じたものです。
たとえば、ビッグバンの直後に放たれた光が138億年かけて地球に届く間にも、宇宙空間そのものがどんどん広がっていきました。
光が進む速度は一定でも、その光が通る「空間」自体が伸びるため、光源は今ではもっと遠くにあるというわけです。
つまり、138億年というのは「光が届くまでの時間」、464億光年というのは「現在の距離」であり、どちらも正しいけれど意味が異なる数値なのです。
そして、この宇宙の膨張速度の加速はダークエネルギーや暗黒物質といった物質によって引き起こされていると考えられていますが、この点については今なお謎が多いとされています。
138億年より前には何があった?1000億年前、1京年前はどうなっていた?

現在の科学では、宇宙は約138億年前にビッグバンによって誕生したとされている。
ビッグバンとは、空間の中で何かが爆発した現象ではなく、「空間そのものが膨張を始めた瞬間」を指します。
そのため、138億年前より前の「時間」や「空間」は、私たちが理解する形では存在していなかったと考えられる。
ビッグバン以前は特異点と呼ばれる極限状態で、温度も密度も無限大に近く、現在の物理法則ではその状態を説明することができません。
したがって、1000億年前や1京年前といった“ビッグバンより前”の時間を考えること自体が意味をなさないのかもしれないのです。
時間そのものがビッグバンとともに始まったため、「それ以前」は存在しないのです。
ただし近年では、ビッグバンの前に別の宇宙があったとする循環宇宙論や多元宇宙論も提案されており、宇宙が誕生と消滅を繰り返している可能性も議論されています。

もし宇宙が膨張と収縮を永久に繰り返していた場合、この宇宙が誕生する前は別の宇宙が存在していたかもしれないね!
まとめ:宇宙は今も膨張し続けている
- 宇宙の年齢は約138億年(ビッグバンからの時間)
- 宇宙の果ては約464億光年先(現在の距離)
- 「137億年」「138億年」は観測精度の違いによる
- 「1兆年」「5京年」は仮説や誤解
- 宇宙は今も加速的に膨張している
宇宙の138億年という数字は、私たち人類が観測できる“宇宙の物語”の長さです。
しかし、その先にある「ビッグバン以前」や「宇宙の果ての向こう」は、まだ誰も知らない未知の世界。
宇宙の歴史を知ることは、私たち自身の存在の意味を探ることにもつながっています。

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